39269426


連載:kazaya
SS作者、kazaya様の提供でお送りします。





赤城がずずずと、お茶を嗜んでいるときだった。
「いいところに居てくれたわ。ちょっと赤城、聞きたいことがあるんだけど」
 ずかずかとやってきたのは、叢雲たん。
「さて、何でしょう?」
 お茶をテーブルにおいて、赤城が首を傾げる。
「島風って、誰?」
「はい?」

 





 詳しい話を聞くと、どうやら叢雲たんは、また提督の独り言を聞いちゃったようだ。
 島風が、欲しいと。

「こういうのは、霧島さんが得意なのでは?」
「さっきから探してるんだけど見当たらないのよ」
 叢雲たんの言葉に、赤城はなるほどと思った。
「確か……駆逐艦の方だったと思いましたよ。金髪で可愛らしい方で……他の駆逐艦よりも強いらしいです」
 それを聞いた叢雲たんの顔が、徐々に険しくなる。
「駆逐艦で、可愛い子で、強い……」
 反復するようにそう呟くと。

「却下」
 だんとテーブルと叩いた。赤城が飲んでいる途中のお茶が、ちゃぷんと僅かであるがこぼれた。
「絶対に出してたまるか、私以外の駆逐艦なんてっ!!」
「えっと……叢雲、さん?」
「ありがとう、赤城。大事なことを教えてくれて」
「いえ、ですが私は……」
「じゃあ、また! 出撃するときにね!」
「あ、ああ……」
 赤城は見送る。彼女に伝えてよかったものかと。


 そして、数日後。
「あら、赤城じゃない」
「霧島さん」
 偶然、霧島と出会った赤城。思わず赤城は先日の叢雲たんとのやり取りを包み隠さず伝えた。
 気になるといえばそれまでだが……。
「あらら、だから提督は私を呼んだのね」
「え? それはどういうことですか、霧島さん?」
「開発の場に呼ばれたの。で、一緒に開発して……」
「は、はい……」
 嫌な予感がする。
「出しちゃった。雪風ちゃんと島風ちゃん。提督、とてもお喜びだったわ」
「あーー」
 赤城は願う。二人が叢雲たんと出会わないようにと。
 だが、その願いも叶うことはないと赤城は確信していた。
 その予測は、そう遠くない時間に現実のものとなる。

 二人が、あの叢雲たんに出会うときは、すぐそこ。